最後まで頑張り続ける明けの明星

タイのバンコクを夜行便で発ち、内陸のブロークンヒル上空を過ぎた辺り・・こっそり飛行機のシェードを上げると、明けの明星が目に飛び込んできました。

明け方の空にあるときは、最後まで輝きつづる明けの明星は、金星の別名です。一番明るい頃の金星は、視力がよい人なら白昼でも肉眼で見えるといいます。

太陽と月を除けば、金星より明るい天体は存在しません。肉眼で観察できる時期の金星はおよそ4等級で、明るいときには４．７等にもなります。その最大光度は1等星の約170倍にもなり、まだ明るさの残る空にあってもひときわ明るく輝いています。

第2惑星・金星は地球のすぐ内側を回っているので、地球から見て決して太陽の反対側に行くことはありません。金星が明け方と夕方にしか見えなくて、真夜中に観測できないのはこのためです。

微妙に移り変わる上空の色と星を眺めて、最後は朝靄に霞むシドニーのハーバーブリッジとこじんまりした高層ビル群を楽しんでいただければ・・・。


(2008.07.05 　シドニーボーイ記)